目次

MPINO STUDIO 2 Phase 3 · ラダー編集の基礎

ラダーセルの編集とメモリ値の書き込み、接点とコイル、ボックス関数、直列・並列接続、エッジ、自己保持回路について説明します。

ラダー編集の順序

画面について: 画面例には韓国語UIを使用しています。ボタンの位置、アイコン、ショートカットは同じです。

1. ラダー編集画面

ラダーロジックは左から右へ読みます。接点で作った条件が接続線を通ってコイルまで届くと、コイルが動作します。1行に配置された回路をラングと呼びます。

図1. ①ツールバー、②ラダーグリッド、③グリッドステータスバーの位置

10種類のラダーツールと標準ショートカット

ツールは次のいずれかの方法で配置できます。

  1. セルを選択し、該当するショートカットを押します。
  2. セルを選択し、左側のツールバーでボタンを押します。
  3. ツールバーのボタンを目的のセルへドラッグします。

2. ラダーセルの選択と移動

編集するセルをクリックするか、矢印キーで選択位置を移動します。複数のセルをまとめて選択するには、Shiftを押しながら矢印キーを使用します。

操作 結果
マウスクリック クリックしたセルを選択
選択位置を1セル移動
Shift + 矢印キー 現在のセルから長方形の範囲を選択
Enterまたはダブルクリック 選択した接点・エッジ・コイルの編集画面を開く
Delete 選択した要素と入力値を消去して空のセルにする

接点またはコイルを編集するときは、アドレスまたは登録済みシンボルを入力します。入力中に一致する項目が自動入力リストに表示されます。

図2. 接点またはコイルのアドレスを入力するラダーセル編集画面

ショートカットの使用場所: 矢印キーおよびF2F12などのラダーショートカットは、ラダーグリッドにフォーカスがある状態で使用します。コードエディタにフォーカスがある場合、矢印キーとクリップボードのショートカットはコード編集に使用されます。

3. メモリに値を書き込む

ラダーで選択したセルのメモリ値を、動作中のボードへ直接書き込めます。ラダーセルを右クリック → メモリに値を書き込むを選ぶか、ラダーグリッドにフォーカスがある状態でCtrl + Shift + Wを押します。

選択したセルの横に開くメモリ書き込みポップアップ

マーカー 画面項目 操作
モニタリング オフの場合はここでオンにします。ボードとのモニタリング通信が接続されると、書き込みボタンを使用できます。
アドレスと現在値 選択したセルのアドレスが自動入力されます。ボックス関数に複数のアドレスがある場合は一覧から選び、空のセルでは直接入力します。現在値にはモニタリング中のボードの値が表示されます。
値と書き込み 値を入力し、書き込みを選ぶかEnterを押します。成功すると値の入力欄だけが空になり、続けて書き込めます。

書き込めるアドレスはM・D・C・T・R領域です。Pアドレスはこのポップアップでは書き込めません。動作中のボードの値が変わり、出力や制御条件に影響する場合があります。書き込み前にアドレスと値を確認してください。

このポップアップは1つのアドレスをすぐに書き込むためのものです。複数のアドレスを登録する実行 → メモリ書き込みリストとは使い分けてください。Esc、ポップアップの外側のクリック、またはで閉じます。

4. セルの挿入・削除・コピー

セルを空にするDeleteと、後続のセルを左へ詰めるCtrl + Deleteでは結果が異なります。

コマンド ショートカット 結果
セルを空にする Delete 選択したセルだけを空のセルに変更
セルを挿入 Insert 選択位置に空のセルを作り、右側のセルを移動
セルを削除 Ctrl + Delete 選択したセルを削除し、右側のセルを左へ詰める
行を追加 Alt + Insert 選択した行の上に空の行を追加
行を削除 Alt + Delete 選択した行を削除し、下の行を上へ詰める

ラダーセルを右クリックすると、セルを挿入、セルを削除、行を追加、行を削除を選択できます。表のショートカットでも同じコマンドを実行できます。

図3. ラダーセルの右クリックメニュー

セルの挿入と削除

セルの挿入は、選択位置から最も近い空き位置まで右側のセルを移動します。右側に移動できる空間がない場合、回路は変更されず案内メッセージが表示されます。行末のコイルは移動しません。

図4. セル挿入前 図5. セル挿入後

セルの削除は選択したセルを取り除き、右側のセルを左へ詰めます。コイルは行末に残り、コイル前の空いた位置は接続線で埋められます。

図6. セル削除前 図7. セル削除後

行の追加と削除

行の追加は、選択した行の上に空の行を作ります。追加位置を通っていた垂直線は新しい行まで続きます。

図8. 行追加前 図9. 行追加後

行の削除は選択した行全体を削除し、下の行を上へ詰めます。削除した行を通っていた垂直線は、残った回路に合わせて再接続されます。

図10. 行削除前 図11. 行削除後

コピーと元に戻す操作

コピーしたセルは、別のラダータブまたは別に起動したMPINO Studio 2のウィンドウにも貼り付けられます。

5. 水平線と垂直線を接続する

水平線は同じ行のセルを左右に接続し、垂直線は上下の分岐を接続します。

ツール ショートカット 使用方法
水平線 F5 選択した空のセルを左右の接続線に変更
垂直線 F6 選択したセルの右側にある下方向の接続を切り替える

垂直線は独立したセルではありません。選択したセルの右端から下の行へ続く接続を追加します。同じ位置でもう一度F6を押すと垂直線が消えます。

水平線で同じ行をつなぐと直列回路になり、二つの行を垂直線で接続すると並列回路になります。

6. NO・NC・NOT接点の定義と作成

NO・NC接点はメモリのON/OFF状態または比較式の結果を読みます。NOT接点は手前までに計算された条件を反転します。

NO・NC・NOT接点の動作比較

接点 ショートカット 条件がOFFのとき 条件がONのとき
NO接点(A接点) F2 導通しない 導通する
NC接点(B接点) F3 導通する 導通しない
NOT接点(信号反転) F10 手前の条件がOFFなら後の条件はON 手前の条件がONなら後の条件はOFF

セルを選択してF2またはF3を押し、続けてEnterを押します。編集画面にP0M0D0.1などのビットアドレス、または登録済みシンボルを入力します。アドレス形式はPhase 2 · メモリを理解するを参照してください。

比較式を入力する

NO・NC接点の編集画面には、アドレスの代わりに比較式を入力できます。たとえばD0 > 10はD0の値が10より大きいとき真になります。NC接点に比較式を入力すると、式が偽のときに導通します。

演算子 条件
> 左の値が右の値より大きい
< 左の値が右の値より小さい
>= 左の値が右の値以上
左の値が右の値以下
== 二つの値が等しい
!= 二つの値が異なる

一つの接点には比較式を一つ入力します。複数の比較条件は&&||を入力せず、接点を直列または並列に接続します。

図12. D0が10より大きい条件を入力した比較接点

NOT接点

NOT接点は、その位置までに計算された条件を反対にします。アドレスは入力せず、F10で配置します。前の条件がOFFなら反転後はON、前の条件がONなら反転後はOFFです。

一つの分岐にはNOT接点を一つだけ使用できます。

7. 立上り・立下りエッジを使用する

一般接点は条件が維持されている間、連続して導通します。エッジ接点は入力状態が変化した瞬間に1スキャンだけ導通します。

立上り・立下りエッジのラダー回路と1スキャン動作

接点 ショートカット 導通する時点
Positive Edge F11 入力がOFFからONへ変わった1スキャン
Negative Edge F12 入力がONからOFFへ変わった1スキャン

エッジセルを配置した後、変化を検出するビットアドレスまたはシンボルを編集画面に入力します。以前の状態は各エッジセルで自動的に管理されるため、状態保存用のメモリを別に作る必要はありません。

ボタンを押した瞬間に一度だけ動作させる場合はPositive Edge、ボタンを離した瞬間に一度だけ動作させる場合はNegative Edgeを使用します。

8. 出力コイルを作成する

一般出力コイルは、接点で計算した結果をビットアドレスに毎スキャン保存します。条件がONならコイルアドレスもON、条件がOFFならコイルアドレスもOFFになります。

  1. コイルを配置する行のセルを選択します。
  2. F9を押すか、ツールバーで出力コイルを選択します。
  3. Enterまたはダブルクリックで編集画面を開きます。
  4. 結果を保存するビットアドレスまたはシンボルを入力します。

出力コイルは自動的に行の右端へ配置され、手前の空のセルは水平線で接続されます。

図13. M0がOFFのときP32出力コイルはOFF 図14. M0がONのときP32出力コイルはON

出力アドレスの確認: Pアドレスを出力コイルに使用するときは、設定 → ラダーピンマップ設定で選択したボードの出力であることを確認してください。

9. SET・RESETコイルを作成する

一般出力コイルは条件に追従しますが、SETとRESETコイルは条件がONになった瞬間に値を保存します。

一般出力、SET、RESETコイルの値保存方法

コイル ショートカット 条件がONになったとき 条件がOFFに戻った後
SETコイル F7 対象ビットにONを保存 ONを維持
RESETコイル F8 対象ビットにOFFを保存 OFFを維持

M0 NO → P32 SETは、M0がONになった瞬間にP32へONを保存します。M0がOFFに戻ってもP32はONを維持します。

図15. SET条件がONになりP32へONを保存 図16. SET条件がOFFになった後もP32はONを維持

保存した値をOFFにするには、同じアドレスをRESETコイルへ入力します。M1 NO → P32 RESETでは、M1がONになるとP32へOFFが保存されます。

図17. P32をONにするSET回路とOFFにするRESET回路

SETコイルを使用したアドレスには、保存値を解除するRESET条件も構成してください。

10. ボックス関数を作成する

ボックス関数は、左側で計算された条件がONのときに、タイマー・カウンター・演算・転送などのコマンドを実行します。

  1. ボックス関数を配置する行の空セルを選択します。
  2. Ctrl + Enterを押すか、左のツールバーでボックス関数を選択すると編集画面が開きます。
  3. カテゴリーとコマンドを選択すると、入力欄にコマンド形式が表示されます。
  4. アドレスと値を入力し、確認を選択します。

図18. カテゴリーとコマンドを選択するボックス関数編集画面

ボックス関数は出力コイルと同じく行の右端に配置されます。左側に接点がある場合はその条件がONのときに実行され、接点がない場合は毎スキャン実行されます。

ボックス関数一覧を見る →

11. 直列回路と並列回路

直列AND回路と並列OR回路の比較

図19. M0とM1を並列に接続したOR回路

直列と並列を組み合わせると、「(M0またはM1)かつM2」のような条件を作れます。回路を左から読み、並列分岐が分かれる位置と再び合流する位置を基準に条件を分けて確認します。

12. 自己保持回路を作る

自己保持回路は、出力コイルの補助接点を開始接点と並列に接続し、開始信号が消えた後も出力を維持します。

自己保持回路の待機、開始、保持、停止の順序

回路は[M0 NO ∥ P32 NO] → M1 NC → P32出力コイルの順に構成します。

  1. M0 NO接点とP32 NO接点を並列に接続します。
  2. 並列回路の後にM1 NC接点を直列に接続します。
  3. 行の右端にP32出力コイルを配置します。
  4. M0がONになるとP32がONになり、P32補助接点も導通します。
  5. M0がOFFに戻ってもP32補助接点が導通経路を維持します。
  6. M1がONになるとNC接点が開き、P32がOFFになります。

図20. M0開始接点でP32がONになった状態 図21. M0がOFFになった後もP32補助接点で維持される状態

M0とM1は動作説明に使用する内部メモリです。実際の入力端子を使用するときは、選択したボードの入力Pアドレスへ置き換えてください。

13. ラダー編集ショートカット

ショートカットはファイル → 環境設定 → ショートカットで変更できます。

区分 ショートカット 動作
移動 選択セルを移動
範囲選択 Shift + 矢印キー 長方形の選択範囲を拡張
セル編集 Enterまたはダブルクリック アドレス・シンボル入力画面を開く
セルを空にする Delete 選択した要素と入力値を削除
セルの挿入・削除 Insert / Ctrl + Delete 空セルを挿入 / セルを削除して左へ詰める
行の追加・削除 Alt + Insert / Alt + Delete 上に行を追加 / 現在の行を削除
コピー・切り取り・貼り付け Ctrl + C / Ctrl + X / Ctrl + V 選択したセルを編集
元に戻す Ctrl + Z 直前のラダー編集を元に戻す
メモリに値を書き込む Ctrl + Shift + W 選択したセルのメモリ値をボードに書き込むポップアップを開く
接点 F2 / F3 NO接点 / NC接点
接続線 F5 / F6 水平線 / 垂直線
コイル F7 / F8 / F9 SET / RESET / 一般出力コイル
NOT接点 F10 手前までに計算された条件を反転
エッジ F11 / F12 立上り検出 / 立下り検出

14. トラブルシューティング

症状 確認する項目
ショートカットを押してもセルが変わりません。 ラダーグリッドのセルを先に選択し、グリッドにフォーカスがあることを確認します。
接点またはコイルへアドレスを入力できません。 ビットアドレスであることを確認し、形式と使用範囲はPhase 2のメモリ説明で確認します。
セルを挿入できません。 選択したセルの右側に空のセルまたは水平線があるか確認します。
Deleteを押しても後続のセルが左へ詰まりません。 Deleteはセルを空にするコマンドです。セルを削除して左へ詰めるにはCtrl + Deleteを使用します。
SETコイルでONにした値がそのまま残ります。 同じアドレスを使用するRESETコイルとRESET条件があるか確認します。
自己保持回路が開始信号をOFFにするとすぐ停止します。 出力アドレスのNO補助接点が開始接点と並列に接続されているか確認します。
ビルド時にNOT接点のエラーが表示されます。 同じ分岐にNOT接点が二つ以上配置されていないか確認します。

関連文書

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